トラックの種類はさまざま!特徴をしっかり把握しておこう

トラックには平ボディやウィングなどの複数の種類があります。荷台の開閉方式や運搬できる荷物などに違いがあるので、自分の用途に合ったものを選択することがポイントです。一口にトラックといっても多くの種類があります。それぞれ特徴が違っているため、ドライバーとして活用するなら目的に合ったものを選択することが重要です。また、ドライバーの一般教養として知っておくことにも意味があります。本記事では代表的なトラックの種類を挙げ、それぞれの特徴を詳しく紹介していくので、この機会にチェックしておきましょう。

積み荷の制約が少ない「平ボディ」

トラック

平ボディはトラックの種類の中で最も古いといわれているタイプです。平らな荷台が大きな特徴であり、その形状ゆえに荷下しの負担が小さくて済みます。重いものを運搬するときに利便性がとても高くなっています。一方、それ以外の点に関しては標準的な仕様です。とりわけ特殊な点はないため、スタンダードな形状のトラックと認識しておくと良いでしょう。

積み荷に関する制約があまりないこともメリットであり、これによって移動を行いやすくなっています。積み荷が引っかからないため、高めに持ち上げるような動作が必要ありません。したがって、さまざまな形状の荷物を扱う可能性がある場合に重宝されています。一方デメリットとしては、屋根はもちろん、サイドに壁すら存在しないことです。荷物を荷台にしっかり固定しなければなりません。その作業をいい加減に済ませてしまうと、走行中に荷崩れが起こり、事故に発展するリスクもあるので注意してください。固定と同時にシートでしっかり保護するなど、劣化を防ぐための対策が不可欠となっています。その点を除けば、汎用性の高さでは他の追随を許しません。作業の効率を重視する人にとっても、非常に扱いやすいトラックとなっています。

サイドの開閉が便利な「ウィング」

トラック

ウィングとは荷台が箱型になっており、開閉をサイドから行うことが特徴です。一般的にはアルミのボックスが用いられており、サイドが開いた状態だと荷物の出し入れが容易です。後面以外は平ボディに近い形状になるため、利便性もある程度は共通しています。ただし、走行時はサイドも閉じる点が大きく異なるので気をつけてください。平ボディほど厳密に固定する必要はありませんが、走行時のスライドを想定してある程度の備えは必要です。名称の由来は両サイドに箱を開いた状態となっています。鳥が翼を大きく展開しているように見えるため、ウィングと呼ばれるようになりました。開閉は手動ではなく、電動のモーターで行うのが一般的です。油圧の仕組みを用いた装置を使用するケースも見受けられます。

いずれにせよ、一般的なトラックの中では、メカニズムは複雑な方に分類されます。その機構の分だけ重量が大きくなりやすい点も特徴の一つです。また、ミュージシャンがゲリラライブを行う時に使われるトラックもこちらです。地面より高い位置でサイドが大きく開くので、パフォーマンスをする舞台として適しています。このように、荷物の運搬以外での用途でよく使われることも特徴となっています。

背面から出し入れする「バンボディ」

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バンボディも平ボディに負けないほど、スタンダードなトラックとして定着しています。ウィングと同様に荷台が箱になっているのですが、こちらは背面のみで開閉する点が特徴です。箱があるので保護の必要性が低い点もウィングと同じです。ただしサイドが開かない分だけ、荷物の上げ下ろしの利便性は低下しています。とはいえ、左右が固定されているがゆえの安定感もあります。

リフトの利用などは想定されていないタイプも多く、ドライバーの人力による作業が基本です。開閉部分が少なくてシンプルなので、浸水のリスクが小さいことも特徴となっています。雨天の日も安心して荷物を届けられるなど、天候を気にして日程を調整する必要がありません。一般的に箱の素材として用いられるはアルミです。そのため、アルミバンと表現されることもよくあります。

ウィングと比べて普及している台数が多いため、荷台が箱のタイプを見かけたら、基本的にこちらである可能性が高いです。特別な機構が備わっていない分だけ、ウィングよりも軽量である車種が多いです。荷物を大切に保護したいけれど、お金をあまりかけられない人は、平ボディやウィングではなく、こちらを選択しておきましょう。

食材の鮮度をキープできる「冷蔵車や冷凍車」

トラック

こちらは食品の鮮度を維持するために、冷やしながら運搬するトラックです。保冷車と呼ばれることもありますが、どれも機能や目的に大差はありません。ポイントになるのは荷台に施された断熱加工です。これによって外気による温度上昇を防げることが特徴です。夏場でも低音をキープできるため、魚介類や肉類の運搬によく使用されています。荷物の上げ下ろしに関しては、基本的にバンボディと方法は同じです。箱が令倉庫や冷凍庫になったことをイメージすると分かりやすいでしょう。実際には荷台に冷蔵装置や冷凍装置が設けられており、それが稼働することで温度を設定どおりに調整しています。冷やす能力は冷凍車が最も強く、その分だけ消費する電力も大きいです。

エンジンの動力部で発生する電気を使うので、エンジンを止めると冷却する性能はダウンします。その対策として、外から電力を供給できる仕組みを備えているタイプも珍しくありません。また、冷蔵や冷凍は行えないけれど、箱の内部で風を循環させられるタイプもあります。こちらは通風車と呼ばれており、庫内の空気が淀むことを防げる点がメリットです。いずれにしても、基本的には積み荷は食材に限定されています。

瓦礫などをパワフルに運搬する「ダンプ」

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いわゆるダンプカーであり、こちらは特殊トラックに該当します。1種に属しており、荷台の前方部を上昇させて傾けられることが特徴です。このアクションによって、荷台の土砂などをスムーズに下に落とせます。土砂以外にも木材やコンクリートなど、いろいろな建材の移動に用いられることが多いです。解体現場でゴミの撤去に使われることも多く、雑多なものを一度に運び去りたいケースでも重宝されています。

肉体労働と関連付けられがちですが、手を使う必要がないので、ドライバーの負担はあまり大きくありません。なお、後方に降ろすだけでなく、左右からも移動させられるタイプも存在します。使われている機構が複雑化する分だけ、やはり総重量も大きくなるので注意しましょう。とはいえ、それも考慮して設計されているので、土砂の運搬などに支障が出ることは考えにくいです。油圧シリンダの馬力に余裕を持たせており、その伸長によって上記の動作を実現しています。

また、工事現場のような状態の悪い地面を走る機会も多く、たいていのダンプでは揺れを吸収しやすい構成になっています。トレーラーと同様に本体が大きいので、制動距離などの運転知識も十分に把握しておくことが大事です。

まとめ

トラック

トラックの種類は多岐にわたり、よく似た形状でも用途が異なるタイプも少なくありません。積み荷を運ぶという点は共通ですが、建材や食材をはじめとして、対象となる荷物に大きな違いがあります。兼用できる場合もありますが、基本的にはそれぞれ適性を考慮して選ぶことが大事です。種類ごとの相違点を把握することで、どのトラックがよいのか判別しやすくなります。必要な免許にも違いがあるため、まだ取得していないなら詳細を確認することから始めましょう。